溶接長の計算(見積もり用)

 北海道は11月に入ってからグッと気温が下がってきました。この数日は雪です。路面も日陰や橋の上はアイスバーンになっているところもあり、車の運転はドキドキです。

 すごく久しぶりの投稿ですが、今回は溶接長の計算について少々。初めに言っておきますが、有効溶接長の計算ではなく、鉄骨見積もり用の話です。

 見積もり、積算の際は溶接長も重要なファクターですが、慣習なのか、サイズ6mmの隅肉溶接換算で〇〇mとします。でも実際は板厚によってサイズも10mmだったり、そもそも完全溶け込み溶接の箇所だってあります。

 そしてネット上を見ても、意外にこれに関する情報が殆どありません。

 見積もりをする際には使用する溶接材料の金額、ユーティリティ費、工賃などが必要です。別に応力計算をするわけではないので、有効長の計算ではないというのはこういうことだからです。

 計算では溶接部分の断面積の比 だけ から換算します。完全溶け込みなんかだと溶接工の人は夏なんかはめちゃめちゃ暑いので割増したいところですが、そのあたりは 無視 します。

 ではまずサイズ12mmの隅肉溶接の長さが100mであれば、6mm換算するとどうなるでしょうか。溶接長自体は同じとします。あと、余盛とかは無視して、理想的な二等辺三角形で考えます。見積もりは多分に概算値なので。

 サイズ6mmの溶接部の断面は下の(a)の灰色の部分で面積は18mm2。一方、(b)のサイズ12mmであれば面積は72m2。サイズ6mmの4倍です。つまり溶接材料も4倍使うということ。その分の材料でサイズ6mmの隅肉溶接なら400m分になります。

 では、次に完全溶け込み溶接については胴でしょう。この時も、余盛高さは0として、溶接断面は台形として考えます。
 (c)の板厚16mmでベベル角度35度のレ形開先について計算してみます。溶接断面の面積は台形の面積の公式より200m2と求まります。6mmサイズの隅肉の11.11倍なので、見積もりの溶接長さは6mm換算で1111mとなります。

 フレア溶接など断面が三角形ではないものについても三角形に近似して計算します。

あと、余盛とかを考慮したいなら、この概算値を5%とか10%増やせば良いでしょう。

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