石けん作っちゃお

 

目次

そもそも、石けんって何?
コールドプロセス法による石けんの作り方
ホットプロセス法による石けんの作り方

—そもそも、石けんって何?—

油と水って、「油と水」というくらい溶けないものの代表だよね。でもあるものを使うと、油と水は溶けあうようになります。この時に使うのが石けん。
石けんには油の性質をもった部分と、水の性質をもった部分の両方があるから、油と水の橋渡しをすることができるんです。
こういう性質をもったものを「界面活性剤」といいます。石けんであれば「水と油の境界面活性化する薬です」と表現できるかな。

石けんの材料には油を使います。そして油に水と溶けあう部分を作ってあげれば石けんが出来上がります。
ただ油と言っても水と溶けあう部分を作るには、もともと少しは水とくっ付きやすい場所を持った油でないといけません。
そのような場所を極性のある場所といいます。
油の中でも石油には極性のある場所はありませんので、石油から石けんを作ることはできません。
油の中のラードとかサラダオイルなどの油脂には極性のある場所がありますから、石けんの材料として使うことができます。
油脂の構造ですが、保湿剤とか浣腸につかう、グリセリンという物質があります。油脂はグリセリンのHがR-C(O)O-(脂肪酸基)と置き換わったものです。
三か所のHが置き換わっているのでトリグリセリドといいます。
下に、グリセリンと油脂の構造図を出しておきます。

油脂について、グリセリン骨格についている脂肪酸基(上の図ので囲んだ部分)はもともと酸なので、アルカリと中和反応を起こします。
ですから、油脂と水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを反応させるとグリセリンの骨格から脂肪酸基がはずれ、アルカリと中和反応を起こし脂肪酸のアルカリ塩ができます。この脂肪酸のアルカリ塩が石けんです。

残ったグリセリンの骨格にはアルカリの余ったOHがくっ付いてまともなグリセリンができます。

衛生的な生活をするうえで、石けんはとても便利なものですが、石けんは意外に簡単に作ることができます。
材料はサラダオイルやラードなどの油脂と水酸化ナトリウムなどのアルカリです。
作り方としては加温しない「コールドプロセス法」と加温する「ホットプロセス法」に大別できます。
コールドプロセス法での作り方は簡単なので初めて石けんをつくるにはおすすめです。
ただし、どちらの方法でも、注意しなくてはいけないのは水酸化ナトリウムなどのアルカリの取り扱いです。
よく、テレビなんかだと濃硫酸をぶっかけて憎い相手の顔を焼けただれさせて...なんていうのがありますが、濃硫酸はアルカリに比べるとそこまでは怖くありません(濃硫酸を水で薄めた希硫酸のほうが危ない)。それに対して水酸化ナトリウムはタンパク質を溶かしてしまうのでとっても危険です。塩素系漂白剤が手についたときなんか、妙にヌルヌルして水で流しても、なかなか取れないというの経験した人は多いと思いますが、あれは塩素系漂白剤のアルカリが皮膚を溶かしているためです。石けんの合成に使うほどの濃度の高いアルカリが、一滴でも目に入ると、失明する可能性が高いです。
水酸化ナトリウムはそんなアルカリの筆頭格、フラッグシップです。
ですから、水酸化ナトリウムのボトルを手に取る前にまずゴーグルを着ける、ボトルのキャップを閉じてからゴーグルを外すくらいに注意しないとダメです。

—コールドプロセス法による石けんの作り方—

◇使う道具

ペットボトル(1.5~2リットル×1個、500ml×1個)
漏斗
キッチン秤
保護メガネ(アルカリが目に入ると失明することがあるので)
石けんの型(1リットルの牛乳パックが便利)

◇材料

食用油(新しいほうが良い)
水酸化ナトリウム(液体石けんを作るときは水酸化カリウム、工業用でOK)

◇作り方
①廃食油の重さをキッチン秤で計る
②①を大きいほうのペットボトルに入れる(漏斗があると便利)
③必要なアルカリの量を計算する
※はる様のuki☆uki☆せっけんライフの石けんシミュレーションWEB版が便利です

④③を小さいほうのペットボトルに入れます
⑤④に水道水を入れて、アルカリを溶かします(※かなり発熱するので、冷やしながら溶かします。この時ボトルを密閉すると蓋が飛んで危険なので、蓋をするときは飛沫が飛び出さない程度にゆるく閉めること
⑥アルカリが溶け(アルカリ水溶液)、温度もぬるめになったら、②にアルカリ水溶液を入れる(②でつかった漏斗を使うと便利)
⑦蓋をして、休憩しながら、ひたすらシェイクする

⑧しゃぶしゃぶだけど白濁→マヨネーズみたいになる→固めのマヨネーズみたくなる
⑨牛乳パックにペットボトルから直接移す

↑子供の夏休みの自由研究
プリンみたいな石けんにしました

コールドプロセスでは反応はじわじわと進むので、この後1か月くらい熟成させますが、出来上がると普通の石けんのように固くなります。
この方法で作った石鹸は、グリセリンが含まれるのでしっとりした使用感となります。ただ、グリセリンは吸湿性が高いのでお風呂場に置いておくと水分を吸って柔らかくなりやすい性質があります。また、精製工程を省いているので、使用後の油を使うと油のにおいが残ります。
コールドプロセスで洗顔石けんを作るなら、新品の油を使うのがおすすめ。

 

—ホットプロセス法による石けんの作り方—

この方法では、加温することで反応を進めることができるので、コールドプロセスと違い熟成期間は必要ありません(固まるまでの時間は必要だけど)。
また、石けんができた後、塩析による精製プロセスを追加できるので、結構よごれた廃食油でもきれいな石けんを作ることができます。
我が家では、もっぱらホットプロセス法で捨ててしまうような廃食油を材料にして作っています。

◇使う道具
ステンレス製かホウロウの鍋
アルカリを溶解する容器(ペットボトルやステンレス製かホウロウの鍋)
キッチン秤
プラスチック製のヘラ
ステンレス製のマッシャー(あると便利)
保護メガネ

◇材料
食用油(捨ててしまうような汚れた油でもOK)
水酸化ナトリウム(液体石けんを作るときは水酸化カリウム)
食塩(精製プロセスを行う場合)

◇作り方
①油を入れる鍋の風袋(空の重さ)を計る
②①に食用油を入れ、重さを計り、そこから①で計った重さを差し引いて
油の重量を出す
※油の量は鍋の半分位までにしておく
必要なアルカリの量を計算し、ペットボトルかほかの鍋などに必要量のアルカリを入れて水道水で溶解する
④③を②にいれて、プラスチック製のヘラでかき混ぜる。
沸騰しない程度にガスレンジやIHヒーターで加温しながら、かき混ぜる。
※時々休みながらかき混ぜるが、油断するとぼこぼこと飛び散るので注意する
⑤固めのマヨネーズくらいになるまで加温しながら、かき混ぜる。
⑥加温をやめて、半日ほど放置
⑦石けん素地(固体)とグリセリン(液体)が分離するので、液体部分は廃棄し、石けん素地は鍋に戻しておく
⑧材料の食用油と同程度の水に食塩が溶けなくなるまで溶かしながら加える(飽和食塩水を作る)
⑨⑧を半分に分けて同量の水道水で薄める
⑩⑨を⑦に入れ、石けん素地を崩しながら、塩水と石けん素地が十分に接触するようにかき混ぜる(マッシャーがあると便利)
⑪放置すると、塩水に汚れが移り、真っ黒になるので、汚れた塩水を捨て、⑨で分けておいた残りの塩水を使い、⑩の工程を行う
⑫再度、汚れた塩水を捨て、石けんの表面を水道水で軽くすすぐ
⑬洗浄した石けん素地を鍋に戻して加温しながら崩し、マッシャーで細かくしていくと、柔らかい粘土状になる
⑭香料とか活性炭を加える場合はこの段階で加える
⑮柔らかいうちに牛乳パックなどの型に移して、冷やし固める

↑固める時にコーヒーの出し殻で作った活性炭を入れてみました

ホットプロセス法での写真は後で追加します。